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折に触れて、

読み返す本が何冊かあります。

この「そんなこと、気にするな

という本もその一冊です。

何かが気になってならないとき、たぶんエゴのうずまく中にいるのです。

表紙に書かれた

「20年間無敗・伝説の雀鬼の

『惑わされない生き方』」というキャッチ。

引き込まれずにはいられません!

 

この本をお書きになったのは

桜井章一先生という

1960年代に麻雀の代打ちになり

20年間無敗のまま

引退したとされる雀士であり

自己啓発の分野で

たくさんの著作を発表されている方です。

 

そうしたバックグラウンドから

書かれた言葉は

自己啓発と言っても

既成のそれとは

まったく趣を異にするものです。

 

すべてが実体験によることで

おそらく凡人の何倍もの修羅場を経験した

そんな中で見つけた真理が

噛み砕かれて伝わってくるので

読み進むごとに

自分自身の心のもやも

有無を言わさず晴らされてしまいます。

 

そして邪魔なものが取り払われると

そこにあるのは、自分のエゴや弱さ。

恐れや迷いといった

みっともないものばかり。

でも、それでよいのだと気づかされます。

何故なら

そこからはじめればよいのですから。

 

様々なことが気になって

どう思われるかが不安になるとき

たぶんエゴのうずまく中にいるのです。

ならば、そのエゴを抱えたままで

向かい合えばいい。

そんなふうに「腹をくくらせてくれる」

桜井先生の言葉には

何かのことで

気力をなくしてしまったときほど

自分自身を仕切り直す力が生まれてきます。

別の者になろうとしてがんばるなんて、ナンセンス! 自分を責めてしまったら、何もはじまらないのです。

さらにまた、桜井先生は

努力やがんばることも

否定していらっしゃいます。

とは言え、もちろん何もせずに

サボりましょうという話ではなく

よりよいものを目指すために

「今のダメな自分自身」から逸脱し

それ以外の者になろうとするのは

いかがなものかということなのです。

 

私もそうなのですが

ダメになってきた自分を

責め抜くことってあるものです。

そうではなく、ダメなことにも

自分で在るうえでの意味がある。

そんな個性としてのダメさをもっと

尊重してもよいのだという言葉には

自分との仲違いも

一瞬で終わった気がしたほどでした。

 

無理やりに自分を焚きつけてみても

違和感が残るのは

きっとそれがあるべき自分から

離れた行動だったからなのです。

 

そして思うのは

桜井先生は、はっきり言って

言葉はよくありませんが

裏稼業を極められた方です。

それなのに、表街道を(一見)

楽しそうにわたっている人よりも

もっと真人間的で

真摯な温かい言葉をたくさん紡げることが

すてきでならないということです。

 

この本は暗記するほど読むことになりそうです。

生きてるだけで丸儲けということを

はじめて理解させていただけた

一冊なので。

 

また明日。

xxx