マナー、という言葉を聞くと、どきっとしてしまいます。

なぜ、どきっとして、心配になるのか。

それはやはり、人様に不快な思いをさせたくない。

その一点に尽きます。

 

直接どなたかに

お目にかかっているときはもちろんのこと。

公共の場所で不特定多数の人と

居合わせた場合も同じです。

自分の不注意のせいで

どなたかに不快な思いを

させてしまったら。

その方の大切な1日を

汚してしまったとしたら、大変なことです。

 

反対に、相手の方が

気持ちよくいてくださったら。

楽しくひとときを

過ごしていただけたとしたら

なんとうれしいことでしょうか。

何もプレゼントするものがなくても

よろこんででもらえる情報がなくても。

ただ、心地よく居ていただけたなら。

それは取りも直さず

その方へのギフトになると思います。

 

マナーと聞けば、厳しさや敷居の高さが

浮かぶものです。

そうした要素も確かにあります。

しかし、突き詰めて考えてみると

もっと話はシンプルで

共に過ごす時間を

楽しくするためのものなのです。

そう思えば

きっと身構えることもなくなりそうです。

 

さらにもう一歩積極的になってみるとしたら

今一緒に居てくださっていることへの感謝を

態度や言葉に込めてみるのはどうでしょう。

所作についてのテキストを読むのも大事です。

ただ、やはり美しい所作を身に付けるためには

人への思いを大切にすることしかないのです。

 

すみません。

少し話が飛躍します。

殺人事件が起こる、その原因以前の

根っこの理由について考えました。

それは、加害者が日々、

人から大切にされていなかったことに

あるのではないかと思いました。

だから人の命も

紙屑のように扱ってしまうのではと。

 

縁あってその時間を

共にしている人の心を大切にすること。

相手にかける言葉や表情に、心を配ること。

これこそ平和のベースになるものです。

マナーはややこしいものなどではないのですよね。

相手も自分も、しあわせになるための

シンプルなメソッドだと私は思っています。

また明日。