あの人が今、困っていることには
力になりたいものですよね。
たとえば、太ってしまったけど
夜食がやめられないことや
朝型人間になりたいのに
どうしても就寝時間が
朝になってしまうとか。
そんな悩みごとを聞いたとき
誰しも、その悩みが解決する方法を
一緒に考えたくなるものです。
ばっちりの解決策を知っているなら
すぐに伝えたくもなるでしょう。
ですが、果たして
悩みごとを話してきてくれた人は
目を輝かせて、その方法を
聞いてくれるでしょうか?
「そうなんだ、やってみる!」と
悩みが解決しそうな予感に
胸おどるような表情を
見せてくれるでしょうか。
おそらく、ほとんどの場合
答えはNoだと思います。
何故なら、本気の悩みごとは
友に打ち明けるより先に
専門家に相談せずには
いられなくなるものですし
あなたを頼りにしているなら
何か悩みに対する情報はないかと
真剣なまなざしで訊ねてくるからです。
あなたが何か解決策を提示したときに
どこか上の空だったり
話半分に聞いているようなら
もうそれ以上、心配することはありません。
その人は、その悩みを
本気でどうにかしようと
思ってはいないのですから。
ただ、何となく気になっていることを
誰かに言ってみたくなっただけなのです。
そして、その悩みは保留しておくほうが
その人にとって心地がいいことなのです。
たとえあなたが、このままだと
とってもよろしくない結果が
見えていたとしても
その事実を伝えたとしても
その人の胸には届きません。
何故なら、その人の心には
「危機感」が迫っていないから。
そしてまた、この悪しき状況が
少々続いたとしても仕方あるまい、と
あきらめていたりもしています。
多少の努力をして、がんばって改善するより
楽をしながら、現状を維持するほうが
その人にとってよろこばしいことなのです。
ですから、その相手が
どんなに自分にとって大事な人でも
全然悩みに対してその気になって
解決しようという気持ちが起きていないなら
放置しておくのが得策です。
それは、人にはよくなる権利もある代わりに
ダメになる権利だってあるからです。
えっ、ダメになるほうを選ぶなんて!
と思われますか?
いえいえ、世の中
ダメになるほうを選んでいる人は
星の数ほど存在します。
痩せたいのにケーキバイキングに行ったり
肌荒れしているのに煙草を吸い続けていたり。
そんな例なら
枚挙にいとまがありません。
ちょっと冷たいようですが
その人がダメになるほうを選んだなら
それもまた人生と受けとめるしかないのです。
まして相手は年端もいかない
お子様ではないのですから。
その人の選択を尊重し、放置、静観することが
こちらのメンタル上もよろしいこと。
そしてその人を心配する暇があったら
自分自身の向上につとめるべしです。
いつかあるとき、その人から
本気のSOSがきたときに
しっかり力になれるように。
なお、言うまでもないことですが
その人の悩みが
法に触れることであったり
自分の人生を
終わらせたいというようなことであれば
すぐにしかるべき専門家に
相談してください。
また明日。